地域貢献活動レポート「自転車交通安全教室」比治山女子中学・高等学校

2019.02.14

平成31年1月11日(金)比治山女子中学・高等学校で「自転車交通安全教室」を開催しました。
最初は曇天でしたが、お日様が姿をみせるにつれ次第に寒さが和らぎ、過ごしやすい時間となりました。

まずは、校長先生とJA広島市東雲支店支店長からのご挨拶。
「これから行われることは、命にも関わる大切な内容です」
「自分や友人、家族が被害者にも加害者にもなりうることとして実感してもらいたい」
「今日からすぐに実践し、ルールを守ることで事故がなくなることを心から願いたい」
ということを伝えられました。

いよいよスタントマンによる事故再現の始まりです。
始まるまでは、少しざわつきがありましたが…
最初に行われた40km/hで走行する車が人(人形)へ激突する衝撃的なシーンに校庭に集まった生徒の皆さんから「キャー!」という悲鳴とどよめきとため息が漏れ、そのあとは一層、真剣な目が注がれました。

危険な自転車走行の例が示され、クイズ形式で生徒たちが回答するコーナーでは、

「運転しながら携帯を使っていた」
「2列で運転していた」
「ヘッドフォンをしていた」
「飲酒をして運転していた」
などなど、生徒の皆さん、積極的に回答していました。

続いて、見通しの悪い交差点で
一時停止をせずに飛び出した際の出会い頭の事故です。

そして、こちらは雨天に傘をさした自転車と、前方不注意の自転車が衝突し、自動車に巻き込まれたケースです。

事故の再現が終わる度に、それぞれの原因が丁寧に解説されます。
事故のほとんどが、ルールを守ることで、防げたかもしれないことを具体的に理解することができます。

MCの方から、実際に起こった事故の例も示されました。
自転車に乗った女子高生が54歳の女性と衝突し、大怪我を負わせ、後遺症を与えることになってしまいました。
その上、多額の賠償金を支払うことになってしまい…
事故に関わったお互いの人生が大きく変わってしまったそうです。

「小さなルール違反が、人に怪我をさせたり命を奪ったりするような大きな事故を起こす可能性があることを心に留めて欲しい」

もしも事故の当事者になった時、また目撃者になった時はすぐに、被害者の安否の確認をし、すぐさま救急車を呼ぶことが重要とも語られました。

続いて、こちらはMCの方の友人が実際に遭遇した事故の再現です。

停車中の自動車の脇を自転車で走り抜けようとした時、車のドライバーが後方からくる自転車に気づかずドアを開けてしまい、友人はドアに衝突し、大怪我を負ったそうです。

トラック運転手からみて、どこが死角になるのかを細かく解説。
生徒たちも自分の腕を使った簡単な方法でドライバー側からの死角を体感しました。

さらに「内輪差」を実感するために、大きなトラックを使います

よくある事故のケースとして最後に紹介されたのは、トラックの脇を注意せずに走り抜けようとした自転車が交差点を右折してきた乗用車と、出会い頭に衝突する事故でした。

最後に、広島南警察署交通第一課長より
「今日、体験した事故のケースをしっかりと心に刻み、自分のこととして感じてください。そして交通事故の被害者にも、自らが凶器(加害者)にもならないでほしいということに加え、今日感じたことを糧にして、交通事故のない生活を送ってください。」
と語られました。

終了後、生徒の一人、高校1年生の生徒会長一色さんにお話をお聞きしました。
「今回のスタントをみて、ビデオ等では感じられない、本当の事故が起こるプロセスが実感できたと思います。私は小さい頃、停止線を超えて道路に飛び出しそうになったことがあり、近くにいた大人の方に止めてもらい、危ないところを助かった経験があります。その時、すごく怒られたことを思い出しました。やはりルールを守ることで、自分も友達も家族も守られるのだなと感じました。」と語っていました。

事故再現の感想を語ってくれた生徒会長の一色さん(左)。
副会長の岩田さん(右)も「自転車で急いでいる時こそ気をつけたいです。」と語っていました。

終了した後も、交通安全教室について語り合いながら、教室へ戻っていく生徒の皆さんの様子が印象的でした。

「ルールを守れば、ルールがあなたを守ってくれる」
皆さんそれぞれ抱いた交通安全に対する心持ちを実践すればきっと、安全で安心できる学校生活が実現することでしょう。

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