地域貢献活動レポート「自転車交通安全教室」広島県立大崎海星高等学校
2019.06.14

令和元年5月15日(水)広島県立大崎海星高等学校で「自転車交通安全教室」を開催しました。快晴に恵まれ、五月とは思えないほどの陽気のもと、校庭に生徒たちが集まりました。
校長先生からのご挨拶では「一見、防ぎようのない事故も、ちょっとした意識で防ぐことができます。この機会に、動いている車には凄い衝撃があることを理解し、事故を無くすために自分の心に刻んでください」などと語られました。
続いて、JA広島ゆたかの池本信用部長より「通学で自転車に乗る生徒さんがたくさんいると聞いています。ルールを守って安全で安心な学校生活を送ってほしい。私もここの卒業生ですが、私が学生時代の頃から比べれば島内の車の交通量が増え、事故も増えていると思います。事故の危険性や恐ろしさを実感して、ルールを守ることを実行してください」と語られました。
竹原警察署の高橋署長は「自動車のスピードや衝撃を体感できる機会です。私も初めて見るので、軽車両である自転車の危険について今日は皆さんと一緒に勉強したいと思います」と語られました。そして、木江地区交通安全協会の信谷会長より関係各位への謝辞が述べられました。
早速、スタントマンによる、事故再現が始まります。
まず、40km/hという事故の発生頻度の高い速度で走行する車が人(人形)に激突します。
ガシャーン!大きな衝突音と校庭に舞う砂煙…
と同時にキャー!と悲鳴が上がるなど、生徒の皆さんの驚きは相当なものでした。
40km/hというスピードは、比較的遅いと感じていたのか、衝突してボロボロになった人形やグニャリと曲がった自転車を見て皆さんから笑顔は消え、神妙な面持ちに…。
次は、自転車も通行できる歩道において自転車で走行している人たちが様々な違反をしています。
どこが悪いポイントなのか、生徒の皆さんに答えていただきます。
積極的に手をあげて答えてくださいました!
「ヘッドホンの着用」、「携帯を持って片手運転」、「飲酒運転」、「二人乗り」、「並進走行」(2列)、「右側通行」など、それぞれ的確に悪いポイントを指摘してくれました。
このような運転が歩行者との接触を誘発したり、大きな事故にもつながります。
次に、自転車が一時停止をせずに交差点を渡ろうとした時どのような危険があるかを実演します。
このあと、どうすれば良いのかをおさらいしました。
交差点の前で一時停止し、左右を確認するだけで防げる事故がたくさんあるということが理解できたと思います。
そして、自転車が通行できる歩道、雨の場合です。
どのような危険が考えられるでしょう。
小さなルール違反が大きな事故に繋がったケースです。
自転車に乗るとき、自分の身の安全を守ることも大切ですが、「小さなルール違反が、人を怪我させたり命を奪ったりするような大きな事故を起こす可能性があることを心に留めて欲しい」と、MCの方が語ります。
過去、実際にあった事故のケースですが、自転車に乗ったまま携帯を見ていた女子高生が、54歳の女性と衝突事故を起こしました。
その女性には後遺症が残り、女子高生はおよそ5400万円という賠償をすることになったケースもあったそうです。
事故は、関わった全ての人の人生を変えてしまうことになります。
「交通事故の被害者にも、加害者にもならない」ことが大切です。
自転車が走行できる歩道では、車道寄りをゆっくり走行すること。
歩行者が多い場合は相手に避けてもらうのではなく、一旦、自転車を降りて歩くこと。
もし、事故が起こった時、事故の当事者はもちろん、目撃した人はすぐに安否の確認をすると共に、救急車を呼ぶ等の対応を行うことが重要と語られました。
続いて、雨の日に自転車が走行する時の悪い点を示します。
「二人乗り」、「並進走行」、「傘を持って片手運転」、「右側を走行」
雨の日にこんな運転をしていたら言うまでもなく危険です。
「ルールを守れば、ルールがあなたを守ってくれる」ことを心に刻み、周りの人への心遣いができる運転を実行しましょう。
そして、これもよくある事故のケースです。
急に開いた車のドアに激突する自転車事故です。
自転車は車の脇を走行する時は十分注意して、ドアが開くかもしれないことを想定して、徐行をしましょう。
自動車の運転者も後方確認を怠らないようにしましょう。
MCの方の友人が同じケースの事故にあったそうで、命は助かりましたが、頭を10針縫う大怪我を負ったそうです。
自転車を運転している時、気をつけたいのが自動車の「内輪差」。
具体的にどのようなものなのか、大型のトラックを使って実演しました。
それから、トラック運転手からみて、どこが死角になるのかを腕や指を使って疑似体験。皆で実践しながら学びます。
最後に、交差点で道を譲ってもらい、右折しようとしたら、横からきた車両や自転車と衝突するケースの再現です。
「サンキュー事故」と呼ばれており右折時に起こる事故としてはかなり多いそうです。
自転車を運転していて、その先の道路で車が停まっている場合、「何かがありそう」と考えるべきでしょう。
MCの方が最後に「大きな事故を起こさないよう、走行中は油断をしないこと。ルールをしっかりと守り、歩行者への気遣いも大切です。今日体感した事故の恐ろしさ、驚きを自分のものにしてください」と語られ、生徒からの拍手で終了となりました。
最後に、竹原警察署の門田交通課長より「これまでひょっとしたらルール違反をしていたかもしれないと感じられたら、良かったと思います。今後は一歩外へ出たら事故に遭遇する可能性があることを意識しましょう。事故が皆さんの努力で防げることを心に刻んで、実践してください。今後は大崎上島の交通ルールを守る模範となって、自転車の運転はもちろん、将来、自動車を運転するようになっても、今日の気持ちを忘れず、交通安全のリーダーになってください。期待しています」と語られました。
生徒会長、3年生の細川真住さんは「これまで幸いにも事故に遭ったことはありませんでしたが、今日の実演を見て、とても怖い気持ちになりました。これからの人生で事故に遭わないよう、ルールを守っていきたいと感じました」と語っていました。
「ルールを守れば、ルールがあなたを守ってくれる」
この言葉を心に刻んで、安全・安心な学校生活を送ってほしいですね。