地域貢献活動レポート「自転車交通安全教室」広島国際学院高等学校

2019.03.01

平成31年2月4日(月)、広島国際学院高等学校にて「自転車交通安全教室」を開催しました。校舎建て替え等に伴い、グラウンドが整備中だったため、体育館を使用した屋内開催となりました。今回は高校1年生の皆さんに集まっていただきました。

まずは、校長先生、JA安芸代表理事組合長からのご挨拶。
「自転車は車両で、車やバイクと同じである認識を持ってほしい」
「これから見ていただく交通事故の再現をしっかり見て、その恐ろしさを実感し、交通事故のない安全で快適な学校生活に繋げるよう学んでいただきたい」
ということを伝えられました。

静まり返った体育館。生徒の皆さんの真剣な眼差しが注がれる中、スタントマンによる事故再現がスタート。

はじめに、自転車が障害物にぶつかった時の再現をしました。

生徒の皆さんから思わず「キャー!」という悲鳴が聞かれました。
この時のスピードは15km/h程度ですが運転者は前方に大きく投げ出されてしまいます。
しかも体を守るものがありませんから場合によっては大怪我をする可能性があります。

次に自転車に乗る時、やってはいけない行動を再現。
MCの方がルールやマナーをわかりやすく解説してくれました。

「ヘッドフォンで音楽を聴きながら運転」

→周りの音が聞こえないので、危険の察知が遅れます。

「お酒を飲んで運転」

→自転車は自動車やバイクと同じ「車両」です。
従って飲酒運転となり、絶対にしてはいけない行為です。

「2列になって走行(並進走行)する」

→並進走行は禁止されています。1列に並んで走行しましょう。

「二人乗り」

→これもバランスを崩し、事故の危険度が高まります。

「右側走行」

→自転車は軽車両なので、左側通行です。

「歩行者やぶつかった相手にどなる」

→言語道断です。ぶつかった相手が怪我をしていないか状況を確認して、警察や消防(救急車)へ通報するなどの配慮が必要です。

次に、見通しの悪い交差点での死亡事故にも繋がるような事故のケースです。

これは本当に最悪のケース…
では、どうすればよかったのか、再現しました。

「止まれ」の標識の前で一時停止し、右から来た歩行者が通り過ぎたのを確認し、左右と前方の確認をして発進する。これが正しい運転です。

続いて、歩道を自転車が乱暴な運転を行なったために歩行者が被害にあった場合の再現です。

ひどい有様です。どうすればよかったのか、再現しました。

歩道では自転車は押して歩きます。歩行者を追い抜く時は、「すみません!通ります」の一言があればスムーズですね。

そして雨の日に起こる最悪の事故の再現です。

ここには守っておけば防げた小さなルール違反がいくつかありました。
ではどうすればよかったのか、再現します。

以下のことに気をつけましょう。

・左側走行を守る。
・雨の日は傘を使わず、カッパを使用する。
・携帯電話を持って運転しない。
・並進走行をしない。

ここで、MCの方から、実際に起こった事故の例も示されました。
自転車に乗った女子高生が54歳の女性と衝突し、大怪我を負わせ、後遺症が残ることになってしまいました。
その上、多額の賠償金を支払うことになってしまい…
事故に関わったお互いの人生が大きく変わってしまったそうです。

ルールは「誰かに怒られるから守る」のではなく、自分や歩行者を守り、配慮するために守るということを心がけて欲しいと話されました。

さらに「サンキュー事故」と言われる、よくある事故の再現です。

信号のない交差点で、自転車が停止して歩行者を先に行かせます。
すると、その脇を注意せずに走り抜けようとした自転車が交差点を横断しようとした歩行者と、出会い頭に衝突してしまいました。
このようなケースはとても多いそうです。
歩行者が左右を確認することも大切ですが、自転車を運転する人は、交差点の手前で停止している自転車やバイク、自動車が見えた時はその死角から歩行者などが飛び出してくるかもしれないと考えるべきでしょう。

最後に「ゆとり」があれば防げた事故の再現です。

信号が青とはいえ、左右前方の確認は必要です。
また、点滅信号の時は横断をやめましょう。
急ぐ理由は色々あるかもしれませんが、事故を起こしては元も子もありません。

ルールを守った場合の再現です。

スタントマンから最後にメッセージです。

「日常の中で「このぐらい大丈夫」という保証はありません。
自分が交通ルールを守れば、ルールがあなたを守ってくれることを心に留めて自転車を運転しましょう」
この言葉に生徒たちから大きな拍手が送られました。

最後に、海田警察署交通課長より
「これから学校生活で事故に遭わないよう、今日、体験した事故の再現で感じたことを、普段の通学や生活に活かしてください。また譲り合いの気持ちや歩行者への優しい配慮を実行してほしいです。万が一事故に遭遇したら、必ず警察に届けてください。自転車を運転することには責任が伴うことを自覚して利用してください。皆さんは家族にとっても、学校にとっても、社会にとっても宝物なのですから」と語られました。
そして、生徒代表の小中さんから、参加いただいた皆さんとスタントマンへの感謝の言葉が述べられ「自転車交通安全教室」は終了しました。

終了後、普通科高校1年生の小中さんにお話を伺いました。
「最初の自転車を運転する人が吹っ飛んだ時は本当に怖かったです。それぞれの事故のケースも、小さなルールを守らないことが、大きな事故につながることがよくわかり、実感できました。自分も30分ぐらいを自転車で通っていて、守っていなかったところもありました。これからはしっかり守って安全に通学したいと思います。」と語ってくれました。

事故再現の感想を語ってくれた普通科高校1年生の小中さん。緊張感のある自転車交通安全教室を終えてほっと笑顔になりました。

今日参加した高校1年生の皆さんは来年度から高校2年生となり、新高校1年生を後輩として迎えます。自転車運転の模範を示せるように、今日の体験がきっと役立つことでしょう。

「ルールを守れば、ルールがあなたを守ってくれる」
皆さんそれぞれ抱いた交通安全に対する心持ちを実践すればきっと、安全で安心できる学校生活を送ることができるでしょう。

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