地域貢献活動レポート「自転車交通安全教室」広島県立府中東高等学校
2019.10.31

令和元年9月25日(水)広島県立府中東高等学校にて「自転車交通安全教室」を開催。秋口とはいえ少し暑く感じる快晴のもと、校庭へ全校生徒に集まっていただきました。
まず、青木校長先生よりご挨拶がありました。「わが校では生徒の半数以上が自転車通学です。実際の事故再現を通して、正しいマナーをしっかりと身につけるよう頑張りましょう」と語られました。
続いて、JA福山市府中中央支店の吉田和恵次長は「平成30年度広島県の交通事故の件数に対して自転車事故はおよそ18.2%を占めます。これから実際にあった危険な事故の場面を再現します。自分のこととして感じていただきたい」と語られました。
「これから実際にあった事故を再現します。もしも関わったのが自分や友達、家族だったら…と思い浮かべながら真剣にご覧ください」とMCの方が語ります。
まずは、生徒の皆さんに質問。
「事故の多くは、時速何キロのときに発生していると思いますか?」
「100km/hや80km/h」など、様々な声が上がりましたが、実は40km/hほど。多くの人身事故がこの速度で起こっています。
まずはその40km/hの自動車が人(人形)に激突するデモンストレーションから。
ガッシャーン!大きな衝突音とともに、跳ね飛ばされる自転車!
校庭に舞う砂煙…悲鳴と、どよめきが起こりました。
ボロボロになった人形やグニャリと曲がった自転車の様子から、この速度がかなりの衝撃を与えることを実感することができました。
続いて、自転車も通行できる歩道にて、自転車で走行している人たちが様々な違反をしている様子を示します。
このように身勝手な振る舞いをしていたら…
当然、大きな事故になります。
それぞれ、どこが悪いポイントなのか、生徒の皆さんに答えていただきました。
「携帯を持って片手運転」、「ヘッドホンの着用」、「傘をさして運転」、「飲酒運転」など生徒たちが手をあげて答えてくれました。
また、事故が起こったら、相手がケガをしていないかを確かめ、必要なら110番や119番に通報しなければなりません。
その他、気を付けたいのが、「二人乗り」、「右側通行」です。
もし、歩道で自転車が右側通行をして、前方不注意でブレーキが遅れたら…
このような大きな事故になる可能性があります。
我が物顔でベルを鳴らしたり、罵声を浴びせるなど、言語道断。
自転車は車道の左側を通行し、歩道を走行するときは歩行者を優先しましょう。
次に、見通しの悪い交差点での車と自転車の衝突です。
自転車が一時停止をせずに交差点を渡ろうとした時、どのような危険があるのか、まずは危険な実例から。
ひどい有様です。
ではどうすれば良かったのか、生徒が自転車運転手の役で参加しました。
このように、交差点の前で一時停止し、左右を確認するだけで、防げる事故がたくさんあります。
実演した生徒に普段の自転車の運転はどうですか?と聞くと「危険なところを注意して運転しています」と答えていました。
続いて、横断歩道で起きた自転車と歩行者の衝突です。
横断歩道を渡ろうとするベビーカーを押す男性に気づいた車が横断歩道前で停止しました。しかし自転車は…
思わず顔を背けたくなる事故…自転車が加害者となり実際の事故では赤ちゃんは亡くなってしまったそうです…。
ではどうすれば良かったのか、ここでも自転車運転手として生徒に参加してもらいました。
停止した車の脇を走行するときは、歩行者がいるかもしれないと想像して、いつでも停止できるよう徐行してください。
さて場面は変わって雨天のケースです。
右から自転車がやってきます。なんと右側通行…これはいけません。
しかも、雨が目に入るのか前方が見えづらそう。
そして左からは、傘をさした自転車が来ます。フラフラとした運転です。
正面衝突をしたばかりか、後方から来た自動車に巻き込まれるという大きな事故を引き起こしてしまいました。ではどうすれば良かったのか
このように、1人ひとりがルールを守れば、ルールがみなさんを守ってくれるのです。
それから、これもよく聞かれると思います。
「死角」と「内輪差」を実感していただきます。
まずは「内輪差」。
具体的にどのようなものなのか、左折時の巻き込み事故の例を自転車、歩行者の場合を大型のトラックを使って実演しました。
このように大型のトラックの内輪差はとても大きく、自転車も歩行者も一定の距離を保つことが大切です。
さらに、大型トラック運転手の死角を確認しました。
左後方はほとんど見えない「死角」となることを、自転車も歩行者も、そして自動車運転手も知っておくことが大切です。
そして、最後に夜間のケースです。自転車のライトは、夜間、前方を照らし視認性を良くすることができる他、自動車や歩行者に自分の位置を知らせることにも役立っています。
夜間と思ってご覧ください。
左右から走行してきた両者ともヘルメットはつけていましたがライトを点灯しておらず、しかも左からの自転車は右側を走行していました。
凄まじい正面衝突となりましたが、ヘルメットのおかげで大きな怪我はしたものの、命はとりとめたという事故でした。
「本日実演した事故のケースはすべて、ルールを守っていれば防げる事故です。みなさん日々の自転車の運転でルールを守って、誰も被害者や加害者にならないことを祈ります」
というMCの方の言葉に、生徒の皆さんからの拍手が起こりました。
最後の挨拶で、府中警察署の木谷交通課長から「様々な事故のケースを引き起こした、ルール違反がありました。やったことがあるなあ、と思う人は今日このあとから守ってください。そして、周りの人の見本になるような自転車の運転を実行して、事故を起こさない、事故に遭わないようお願いします」と語られました。
生徒代表の挨拶では「事故の再現を通して、その怖さを改めて感じることができました。ありがとうございました」とお礼が述べられました。
3年生の小川七海さんは「最初に40km/hの速度で自転車に激突した衝撃に驚きました。音楽を聞きながら運転している人を良くみるし、私も気をつけようと思いました」と語っていました。
「ルールを守れば、ルールがあなたを守ってくれる」
この言葉を心に刻んで、安全・安心な学校生活を送ってほしいですね。